・・・あ と が き・・・・ 「ラテン・アメリカ民芸品の旅」は、2001年11月から約半年をかけて書き、友人でNTT.OBの杉浦文雄さんのホームページに掲載してきたものです。その後2003年3月自前のホームページを持ったのを機に、新たな資料によるアップデートをして、改めて掲載を開始しました。この物語は、始めは民芸品だけを紹介するつもりでいたのですが、それだけでは余りにも文章に"コク"がないし、観光地と民芸品は切っても切れない関係であるところから、観光ポイントに触れることを思いつき、それも、なるべく一般の観光案内書とは違った視点からのものを書いてみたいと張り切ったものです。さらには歴史、習慣、食事、隠されたエピソードなどにも触れたいとの欲がでて、その結果が、予想よりもかなりボリュームのあるものになりました。 執筆中は、私の民芸品陳列室 (Museo de Artesania Latinoamericana)兼パソコン・ルームは資料の山に埋もれました。1974年以降のラテン・アメリカ関係の新聞切り抜きスクラップ(A4の分厚いファイル30冊)、足を運んだラテン・アメリカ各国で撮った写真(アルバム約50冊)、日記と旅行メモ、写真集、ラテン音楽関係雑誌や専門書、外務省の統計、ラテン・アメリカの歴史関係書籍、それに、スペイン語で書かれたものとしては、登場した13か国の地図(現地発行)、観光案内書、ブエノス・アイレスの新聞、アルゼンチン、ペルーの歴史書、カルロス・ガルデル関係の本、タンゴの歴史・発展などの本、ペルーで発行された音楽書、インカの歴史書、ボリビア映画のシナリオ、各地の観光パンフレットなどなどで、本来は引用した文章や写真等にクレジット(出典)として付記するべきなのですが、引用資料が多すぎるのと、趣味で開設している個人のホームページである事を考え、省略しました。文章が纏まらず、途中幾度か、この辺で打ち切ろうかと思ったこともありましたが、杉浦さんに励まされ、なんとか完結できました。 この物語りが完成した後の2002年10月に、それまでの千葉の自宅から都心に転居したため民芸品陳列室は閉館し、陳列品は愛好家の方々にお譲りしました。 しかしながらホームページの内容につきましては、2003年3月のアプロード以来、ラテン・アメリカの動きには注意を払い、塩漬けにならならないようにとの思いから、出来るだけ最新の情報を手にいれ、アップデートをしてきており、これからも、そうありたいと心がけております。 この文を書き出してからも、ラテン・アメリカ諸国には、政変や内戦、経済状況の変化、自然災害等の出来事があり、国々の状況はめまぐるしく変わっています。しかし、ここに紹介したような、伝統の文化に根ざした民芸品、手工芸品、生活習慣などは、その背景にある古い遺跡や構築物、文化的価値の高い重要な建築物などと共に、将来にも変わらず残されていくものと信じています。同じ言葉で繋がり、元は一つの国(ブラジルを別として)から生まれた、ラテン・アメリカ諸国には、年月と共に独特のものに発展したものとは別に、共通した文化が沢山あります。そのようなことを僅かでもお分かり頂けたとしたら幸いです。 昨今の不安な世界情勢の中でも、また、過去の戦争の歴史の中でも、ラテン・アメリカは常に蚊帳の外でした。そう言う点では、ごくごく一部地域を除いては世界中で一番安全で、平和な地域かもしれません。もちろん、ここ数年の世界的規模での気象異常では蚊帳の外ではありません。特に冬(日本の夏)の寒さが厳しく例年は降らない地方まで雪が降るようになりました。しかし、それでも、のんびりした旅をお望みの向きには、是非お薦めしたい旅行先だと思います。そのような場合にもこの拙文が役に立つ事を願って"あとがき"といたします。 |
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