≪第4課≫ 

 この手の駄洒落は、”こじつけ”がなければ成り立ちません。音(おん)や文法的な不具合は深く追求しないで頂きたい。第4課も、第3課と同じような形で、スペイン語のフレーズを日本語で包んでいますが、全く生い立ちの違う国の言葉を合わせるのは、なかなか難しいものです。この課は、「Santa Mia シリーズ」と称し、三太と美弥のロマンスが4話で構成されています。日本語に包まれたスペイン語は、アンダーアインで表示してあります。


第1話
 三太君は大学生です。通学途上で出会った、猫を連れたセーラー服の美少女、美弥に一目ぼれしてしまいました。以来、いつも彼女の猫を目敏く見つけて美弥の存在を察知し、物陰から熱い視線を投げかけています。そのくせ口では照れ隠しに、セーラー姿、おいら見られん、会うとブスなんて、心にもないことを、出来そこないの川柳のように表現しています。スペイン語が分かる方には本音がばれますが。
<種明かし>
[セーラー姿、おいら見られん、会うとブス] をスペイン語で書くと、 
Sera' su gata.. Hoy la mirare' en autobus. となり、意味は、≪彼女の猫らしい、今日はバスの中で彼女を見つめよう≫ となり、心の中は口で言うことと反対です。

第2話
 ようやく美弥との交際にこぎつけた三太君、初のデートで、美弥さんの家のことを色々聞きました。お父さんが厳しい人だと聞いた三太君、いまどき珍しい家訓に付いて聞いてみました。
三太 「美弥さんの家の家訓はなんですか?」
美弥
 「丸刈り、たむしが(か)ある子、出入りするな
三太 「。。。。。。。。」
<種明かし>
 昔の悪戯子らしい、汚い男の子の出入禁止を想像しますが、スペイン語では綺麗なものに変わります
「丸刈り、たむしかある子、出入りするな] は、 Margarita, mu’sica, arco de iris, luna と書きます。
 意味は、≪雛菊、音楽、虹のアーチ、お月様≫ となります。

第3話
 今日はいよいよ、三太君が、お爺ちゃんと同居している美弥の家に来て、美弥に求愛する場面です。途中で猫のリンダが邪魔に入ったので、二人で追っ払っています。
三太 
こんちご用ありませんね、きたで、不便と思うたで。呼べば5分とさせ申す」、「じいちゃん帰るね、また来るよ。」 お爺ちゃんには帰ったと思わせています。
猫のリンダ 
にゃーご
美弥 
しーっ、駄目!。」
三太 
消えろ、とっどと出てぃけ、リンダ。美弥!、君の全てが欲しい、君はなんて綺麗なんだ。」
美弥 「まあ、三太ったら、気が早いのね。」
<種明かし>
 複雑な会話になると、スペイン語を日本語に隠すのはどうしても無理があります。精一杯頑張ってみました。
三太 「こんちご用ありませんね、きたで、不便と思うたで。」 Contigo yo almacene' cuita de juventud となり、意味は、≪君と一緒に青春の悲しみはお倉入りにした≫ となります。 呼べば5分とさせ申す、じっちゃん帰るね、は Juntos hacemos dicha en carneで、≪僕達一緒に肉体の中に幸せを作るんだ≫、となります。分とさせ申す、は意味不明だが、強いて言えば、5分だけお待たせします、なんて意味になるか。このあたりがスペイン語を日本語に置き換えるときの難しさである。
猫のリンダ 「にゃーご。」  Ni, hago, 意味は ≪私作らない≫ ni は、・・・もまた・・・ない と言う意味なので、正しくは、私作らない、となるが、三太と美弥は作ると言っているので、文法上は正しくない。
美弥 「しーっ、駄目!」 Si’ dame、 意味は、≪いいわ、頂戴≫ 直訳は、私に与えて。 
三太 「消えろ、とっどと出てぃけ、リンダ。 美弥、君の全てが欲しい、君はなんて綺麗なんだ。」 Quiero todo-(to) de ti, !que' linda!  となり、≪君の全てが欲しい、なんて綺麗なんだ!≫ となる。(to)は、とっど、のを入れるために無理に付けたもの。

第4話
 三太と美弥はめでたくゴールイン。二人の新婚家庭の休日の夕方です。夕食の用意をしながら話しかける美弥に、三太はパソコンを弄りながら、何か独り言を言っているようです。
美弥 「今日は、ブリの照り焼きにしょうと思うの、食べたい?。」
三太 
味からく照り焼きだと今変に食べたくなった。君の味にうるさい好みを見て食らうど
<種明かし>
味からく照り焼きだと今変にたべたくなった。は、Alli' caracter y aqui dato imagen となり、≪そっちにキャラクター、こっちにイメージ・データ≫ となります。君の味にうるさい好みを見てくら(う)ど(ぞ)。は、Icono mio, mi  teclado で、≪僕のアイコン、我がキーボードよ≫ となり、三太は一人でパソコンを讃えているようで、ますますパソコン趣味が嵩じているようです。

第5話
 三太は趣味が変じて、とうとうパソコン会社を興しました。しかし、なれない事業のため、資金繰りが苦しくなり、ちょくちょく先輩から借金してますが、今日はその返済を迫られています。
先輩 「また返済をまってくれと言うのか。あきれた奴だ、仕方が無い、次の仕事で稼いで早く返してくれ。」
三太 
そいじゃ頑張るは、今度な。」
先輩 「あきれた奴だ。」
<種明かし>
そいじゃ頑張るは、今度な、 は Soy ya gambalu'a , condona となり、 意味は ≪俺も今じゃ能なし男、棒引きにしてくれ≫ です。gambalu'a は、ずばり”能なし男”です。 condona は日本語の”今度な” と発音も同じです。意味は、”負債を帳消しにする” です。

 三太と美弥のお話はこれでお終いです。日本語とスペイン語のゴロ合わせをしましたが、他の言語では、とてもこのような遊びはできません。かなり無理はありますが、それほど、スペイン語の発音が日本語的だと言うことです。では、次の科目へどうぞお進み下さい。


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