地震の巣、ペルー太平洋岸を行く  ≪4≫

4. 中南米地域における地震・火山爆発の記録 
 
   
1940年以降における、ペルーを除く中南米における地震・火山爆発の記録。発生年月にアンダーラインのあるものは火山の爆発。
★1960年5月22日. <チリ> チリ太平洋岸で発生。 M9.5(日本の観測では8.3)、死者5900人、現在でも世界最大の地震だと言われている。この地震には前震最大M7.5、 M7クラスが5〜6回、本震9.5、さらに余震M7があった。チリ全土が揺れ死者1743人、負傷者667人を記録。アタカマ海溝が盛り上がり、海岸沿いの山脈が2.7mも沈み込んだ。地球の自由振動の観測に成功し地震波が地球を3周したことを確認。日本へは発生から22時間後に最大6mの津波が三陸海岸に押し寄せ、142人が死亡し、大船戸では5名が死亡した。
★1972年12月23日. <ニカラグア> マナグア中心に起きた地震でM7.7、死者180人。
★1985年9月19日. <メキシコ> M8.1、死者1万人、被害者25万人と報道された。被害総額40億ドル、メキシコ債務危機に追い討ちをかけた。
1985年11月13日. <コロンビア> ボゴタの北西168kにある西部アンデスのネバド・デル・ルイス火山(5399m)が13日2230(日本時間14日午後0:30)爆発を開始、頂上付近の雪を溶解させ大規模な泥流の洪水が起きた。上空を飛んだパイロットは麓の町アルメロの町は地図から消えたと言った。噴火としては20世紀最大のものとなった。
★1986年10月10日. <エル・サルバドル> 10日午前11時50分発生、M5.4 震源はサンサルバドルの南東150k、最初の地震のあと14分後に再度M4.5の余震ありさらに10数回に渡り余震。10階建てビルが崩壊、 死者150名以上、負傷者3000〜4000名と言われる。
★1991年4月22日. <コスタリカ> コスタリカとパナマ北部で、22日午後3時55分発生、M7.4、震源地はサンホセの東約110kのコスタリカ東部カリブ海沿いのプエルト・リモン周辺。両国で少なくとも死者14名、負傷者数百人。

1993年1月14日. <コロンビア> 14日午後1時43分、アンデス山中にある火山ガレラス山が3回にわたって噴火した。火口の周囲で調査をしていた火山学者ら6名が死亡、5人負傷。噴火の煙は上空2500Mに達した。山裾の集落には被害はない。学者らは国際的な火山学会の調査活動中で、地元コロンビアのほか米,英、ロシヤ、日本など15か国から参加、岩の割目などに避難して助かった。日本人学者の九州大学理学部の中田節也助手は無事だった。
《1993.2.15朝日新聞記事》 カリフォルニア大学のグループが南太平洋イースター島の北西1000kの海底で地球上最大規模の活火山群を発見した。発見したのはケン・マクドナルド海洋物理学教授ら。1992年11月から93年1月中旬まで音波探知機で海底を調査、約14万平方キロの広さの海底に1133の火山を発見、多くは高さが海底から1600m以上あり中には2100mに達するものもあった。この中には何時噴火してもおかしくない山が2〜3ある。海底、地上ともこれほど密集した火山群は見つかっていない。これらの火山が海面下で同時に10数個も噴火すると言った激しい火山活動が地球規模の気象変動をもたらすエルニーニョ現象を起こす引き金になっていないかどうかに強い関心をよせている。 両者は関係ないと見る専門家も多いが、火山郡はエルニーニョ現象が始まる場所に近いので注目している研究者もいる。
★1994年6月6日. <コロンビア> コロンビア南西部で6日夕発生、M6、ウイラ州などの山岳地帯で大規模な地滑りが発生、行方不明500人以上、現場はアンデス山脈のネバドデルウイラ山沿いのパエス川流域の一帯、この山の冠雪が地震で崩れパエス川に流れ落ち濁流が発生したとの情報もある。
★1995年2月8日. <コロンビア> コロンビア西部で8日午後1時40分発生、M6.4、震源地はサンタフェデボゴタの西約280k付近。最も被害が大きいのは首都ボゴタから西へ150Kのペレイラという人口30万の町で政府機関ビルが倒壊したりバスが瓦礫の下敷きになったなどの報告がある。 ペレイラ市には日本のススキ・コロンビアの本社と工場があり日本人数十人が住んでいるが無事が確認された。
★1995年7月30日. <チリ> サンチアゴの北西アントファガスタ近郊で発生、M8.3、死者3名。震源地はアントファガスタの北東40k、死者1名、負傷者10人以上、M7級の余震が30分以内に2回も襲った。
★1996年3月28日. <エクアドル>
 インディオが住む標高3000mの山岳地帯で大きな地震が発生、(マグニチュード不明)、死者23名、負傷者468名、倒壊家屋1000戸、家を失った人15000人。
★1999年1月25日. <コロンビア> コロンビア中西部一帯で25日午後1時19分発生、M6.0、倒壊した建物の下敷きになるなどして少なくと250人が死亡、1000人が負傷した。地震の被害が大きかったのは、コーヒー地帯で知られるキンディオ県、リサラルダ県、アルメニアで200人以上、カラルカで30人、ペレイラで23人以上が死んだ。地元ラジオ局周辺都市部を含め死者は300人に達すると報じている。被害が大きかった地域にはスズキ自動車工場があるが全員が無事が確認。
★1999年7月. <メキシコ> オアハカ近郊で発生、M7.4 少なくとも死者30人以上、被災者は約25万人と言われる。

2000年代
★2001年1月13日 <エルサルバドル> 13日午前11時35分、エルサルバドルを中心に広い地域で発生。震源はエルサルバドルの東部のサンミグエルの南西約100kの太平洋沿岸沖で、深さ39k M7.6 首都郊外で大規模な地滑りがあり110人以上が死亡したい。隣国グアテマラでも建物が揺れ、メキシコ市内でも揺れた。報道によると強い揺れは30秒くらい続いた。サンサルバドル(人口50万)の郊外にあるラスコリーナス地区、幅100m以上にわたり山の斜面が崩れ一帯の住宅が大量の土砂に埋まった。倒壊家屋は300軒以上にのぼった。
★2001年2月13日 <エルサルバドル> エルサルバドル 2月13日午前8時20分発生、震源地はサンサルバドルの南東約24k、M 6.6、 サンサルバドルの東方を中心に家屋の倒壊が広がり少なくとも173人が死亡、1557人が負傷した。 同国では先月13日にもM7.6の大地震があり多数の死者がでた。
 2001年6月23日 ペルー沖で地震 - Mw8.4、死者138人。
 2002年11月3日 アラスカ州で地震 - Mw7.9(M8.3)。
★2003年1月22日 <メキシコ> 21日午後8時7分発生、メキシコ市などで強く感じた。M7.3、 震源はメキシコ市から西へ約500k離れたメキシコ南西部にある太平洋岸のコリマ州付近で深さは約30kと推定される。南西部のグアダラハラ、ミチョアカン、メキシコ市など揺れがあり、震源に近いコリマ州マンサニージョでは多くの建物が倒壊した。
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《2005.1.18 誤報》 チリ 中部沿岸に17日早朝、大津波が来るとの噂が広がり住人12000人が避難する騒ぎがあった。1960年に大地震に襲われた経験と前年末のスマトラ地震が住民の不安をあをったようである。騒ぎの原因はサンティアゴから南のタルカウアーノ港近くにた漁師が引き潮の状況を見て、普段より激しく潮が引いていると感じ津波と早合点して周囲に知らせたため、噂は数時間後には隣町コンセプシオンまで伝わった。68歳の女性がショックで心臓発作を起こして死亡、交通事故も4件おきた。
 2005年6月13日 チリで地震 - Mw7.7、死者11人。
2005年10月28日 <エクアドル> ガラパゴスで火山が爆発。詳細不明。
★2005年  不明   <チリ> チリ北部で発生、M7.9、ペルーやボリビアで揺れを感じた。
2006年8月24日 <エクアドル> キト南方135k、海抜5029mにある、トゥングラグファ火山が爆発、農牧畜業への被害とともに生態系への被害が懸念された。
★2007年6月14日 <グアテマラ> グアテマラ市南西88で地震が発生、M5.4 震度4 深刻な被害はない。
★2007年11月14日 <チリ> 第2州でM7.7の地震が発生。 (注)第2州とは北部に位置する。
★2007年11月29日 <カリブ海> カリブ海のマルティニク島で発生、M7.4、震源地は島の中心都市フォルドフランスの北北西41k、震源の深さ143k。7.4,多数の建物が倒壊。

 2007年8月15日 ペルー地震 - Mw8.0、死者540人以上。

 

2010年代

· 2010年

o 1月12日 ハイチ地震 - Mw7.0、死者22万人以上(公式発表では31万6000人以上とも言われるが正確な数は不明)。

o 2月27日 チリ・マウレ地震 - Mw8.8、死者452人[77]。日本など太平洋沿岸各地に津波。

· 2012年

o 3月20日 メキシコ南部で地震 - Mw8.0

o 11月7日 グアテマラで地震 - Mw7.4、死者・行方不明者130人[78]

· 2014年4月1日 チリ沿岸北部で地震(イキケ地震Mw8.2[79]、死者 6名[注 8]

· 2015年9月16日 チリ中部で地震(イヤペル地震Mw8.3、死者5名(9月17日時点)[81]

· 2016年4月16日 エクアドル沿岸部で地震 - Mw7.8、マナビ州、死者661人[82]

· 2017年

o 9月7日 メキシコ南部沖で地震(チアパス地震Mw8.1、死者91人(9月11日現在)[83]

o 9月19日 メキシコ中部地震 - Mw7.1、死者326人[84]

· 2019年5月26日 2019年ペルー地震英語版 - Mw8.0、死者2人。

2020年代

· 2021年

o 7月28日 - アラスカ半島沖で地震英語版 - Mw8.2

o 8月12日 - 英領サウスサンドウィッチ諸島で地震英語版 - Mw8.1

o 8月14日 - ハイチ地震 - Mw7.2、死者2,207人[85]

北極・南極[編集]

· 1942年11月10日インド洋南部(南極海)のプリンス・エドワード諸島で地震。M8.3

· 1998年3月25日、南極大陸ヴィクトリアランド沖の南極海(南緯62.876度、東経149.712度)で地震。Mw8.1M8.0)。震源の深さ10km。昭和基地では揺れを感じなかった。


  お読みいただき有難う御座いました。昔から日本は地震国といわれてきましたが、こうして見ると南米の太平洋岸の方がずっと地震が多いことがお分かり頂だけたと思います。その割に地震の対策や研究はそれほど進んでいないのではないでしょうか、その証拠に何時までたってもアドベの家がなくなりません。勿論経済的理由が大きいとは思いますが住民には気の毒な限りです。
 

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