![]() ![]() ブランドものの店や高級品の店が並んでいるが、その中に民芸品や土産物を売る店ばかりが集まった横丁がある。上野のアメ横をもっと狭く、迷路にしたような横丁である。 ここに集まっている店では、銀製品の装飾品や置物類が目に付くが、民芸品としては、壁掛けや、マリアッチの人形が多く、壁掛けにはアステカの暦時計を始め花模様や鳥などを描いたものが多い。また、もう少し高級な店には、ペーパークラフトや木彫りの人形などもあるし、一種の美術品としては、壁などに貼り付ける化粧タイルなどもある。 ![]() ![]() マリアッチはハリスコ州から生まれたメキシコを代表するポピュラー音楽の一つである。最高レベルのマリアッチは、国立芸術院で日曜日に上演しているショーで、全国各地の民族衣装をまとい、伝統音楽や踊りを紹介する中で、たっぷり聞かせてくれる。また、シェラトン・マリア・イサベル・ホテルの中のレストラン・シアターでも一流が毎晩演奏している。 もっと身近で生々しい演奏を聞きたければ、ガリバルディ広場(通称マリアッチ広場)に行けばよい。しかし、ここは、掏りやかっぱらい、たかりなどが大勢いて観光客は危ないと言われていたが、実際はそれほどでもない。ただ、歌わせろと言って客引きするのがしつっこい。 ![]() ![]() 民芸品で目に付く骸骨の人形は、オアハカ州の死者の祭りに出てくる仮装からもじったものだと思うが、骸骨や白骨も人形になると愛嬌があって面白い。 ![]() メキシコ市内から西へ、高原の道を雄大な景色を眺めながら140キロ行くと銀の町タスコに着く。途中所々にハカランダの紫が浮かび、サボテンがにょきにょき立っている。 ![]() クエルナバカの観光ポイントの一つに、1552年に建てられたアメリカ大陸でも最も古いと言われる教会があり、その壁画には、長崎の26聖人処刑の絵と共に"太閤秀吉が処刑を命じた"と書いた文字が残っている(注:写真参照)。タスコは国内でも有数の銀製品の産地で、それを売る店が軒を並べており、裏側に回ると、手作業で作る工場があちこちにある。また、アマテと言う樹皮から作るアマテ紙に画いた花や動物の絵は土産物に最適だ。 ![]() ![]() 日本の民芸品店で買える中南米の民芸品の中ではメキシコの製品が断然多い。メキシコの民芸品に限って言えば、わざわざメキシコで買わなくても面白いものは手に入りそうだが、最近はこうしたものを売っている店がすくなくなっているようだ。骸骨の人形にいたっては殆ど見たことがない。民芸品は、その国の文化の一面を表わすものであり、旅の思いでをいつまでも残しておけるので、同じ品物でも現地で手に入れたものの方が価値観が高いのは当然である。 (メキシコ編終わり) |
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