南米大陸の南半分の太平洋岸に、鰻の寝床のように張り付いたチリの海岸線は 約4000キロあり、反対側の東側はアンデス山脈を挟んで北の一部をボリビアと、残りの部分をアルゼンチンと接している。アルゼンチンとチリの国境には大きく分けて3つの国境越えルートがある。@一番北がサルタからアントファガスタ地方へ抜けるルート、A真中がワインの主産地メンドーサから、アンデス最高峰のアコンカグアのほぼ真下のトンネルを抜けてチリの首都サンチアゴへ出るルート、Bそして一番南が、バリローチェからプエルト・バラスへ達するルートである。ここからプエルト・モンへはタクシーで1時間程度で行ける。
  いずれのルートも両国を隔てる高い塀のようなアンデス山脈を潜るか跨ぐかするのだが、たかだか100kmにも満たない距離にもかかわらず、国境を境にした両国の地形、気候はかなり異なっている。
チリの南緯30度から40度辺までは、アルゼンチンと並ぶ南米ワインの一方の横綱チリ・ワインの主産地である。
  先程の3つのルートの中で、一番南のバリローチェからプエルト・バラスへ抜けるルートは、幾つもの湖と、それを繋ぐ山間の小道で成り立っている。飛行機などでひょいと飛んでしまう旅とは一味違う、あまり日本人が行かないこのルートの魅力を紹介する。

          
  
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