【バリローチェ⇒チリ国境】 バリローチェの町は、、ナウエル・ウアッピ湖に面し、 ![]() ![]() 国内の旅行者はバリローチェでのレジャーを楽しんで帰るが、時間に余裕のある外国人旅行者の中には、西に聳えるアンデスを越えたいとの欲望にかられる人も多く、ここから南部チリへの”クルセ・デ・ラゴス(湖縦断)”の山越えをする人も多い。日本人旅行者は極めて少なく、チリに駐在する人などが、レジャーに訪れるとか、ごく少数と聞いた。 ![]() アルゼンチン〜チリの国境を越える陸路のルートには主なものが3本あるが、バリローチェは、その南端のルートのアルゼンチン側の起点(終点)でもある。ここからのルートは、他のル-トと違って、湖をいくつか渡るので景色が変化に富んでおり、また、それを繋ぐ峠道を通るバスのドライブがスリルを味わえるので、時間がある旅なら是非お薦めしたいコースである。 コースは、バリローチェから25キロ西にあるナウエル・ウアッピ湖畔の、旧国営ホテル「ジャオジャオ」の下にある、パニュエーロ港(プエルト・パニュエーロ)から始まる。ジャオジャオ・ホテルは1 ![]() 旅行案内書などには8時間と書いてあるのもあるが、バスで陸地だけを行くコースならば8時間くらいで行けるが、船とバスを組み合わせるとなるとそうはいかない。バスと船の乗り換えの度に、トランクなどの積み替えに予想外の時間がかかってしまう。その上、国境の通関もあるし、食事の休憩時間も必要だ。もともと急ぐ旅ではない客ばかりなので、時間がかかるのは厭わないが、やはり疲れる。 バスがホテルまで迎えに来てくれて、旅は始まる。バリローチェ市内からパニュエーロ港まで25キロの道からは、右手に湖を、左手には花に飾られた洒落たレストランや山荘などが見られる。パニュエーロ港から「カタマラン(双胴船)」に乗り ![]() ![]() ブレスト港では第一回目の荷物の積み下ろしと、バスへの積み込み作業が待っている。ここから、小型マイクロバスに乗り換え、15分かけて6キロ先の、2番目の湖フリアス湖畔のアレグレ港まで細い山道をがたがた走る。このコースの道は、最後の湖トードス・ロス・サントス湖からジャンキウエ湖畔を走って、プエルト・バラスに至る道に出るまで舗装された道はない。舗装どころか線路の枕木の上を走っているような気分にさせられる、凸凹にかけては誠に遠慮のない道で、小型のマイクロバスにとっては、たった15分だが辛い道中だ。 ![]() この辺りからは、まだアンデスの高峰は全く見ることは出来ないどころか原始林だけがづっと続く。時折、原始林の間から、落差の小さい滝が落ちている。道の両側からは潅木が屋根を作るように覆い被さり、バスが揺れる度にばさばさ屋根や窓を枝が叩く。景色などを楽しむのはまだまだずっと先のことである。 アレグレ港をでた小さな船は、写真をとるため後方に客が集まるので、船尾が水につかるのではないかと心配するほど後へ傾いて湖上を走る。20分で6.5キロの船旅を終わり、フリアス港に着く。この辺りは標高が800メートル近くあるのと、もともと北海道と同じくらいの緯度にあるため、夏でもジャンパーを着てもぶるぶる震えるほど寒い地域で、湖の名前も、まさしく「フリアス=寒い」である。 またまた、荷物積み替え大作戦が始まる。客は高見の見物だが、ウッカリ積み残しされまいとちゃんと見張っていなくてはならないし、トランクを投げられたり、落とされたりする度に持ち主はため息をつく。 ![]() 他の白人の旅客などは殆どトランクの中身を見られないのに、日本人というせいなのか、それともアジア人は皆が全部開けさせられるのか。そのくせ開けさせておいても、ろくに中身を見るわけではない。なんだか嫌がらせをされたような気分になった。感じの悪い税関である。駐在当時もチリの国境越えで、フイルムを取られた嫌な記憶があるが、どうもチリの国境はいい感じがしない。 ![]() ![]()
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