ラテン・アメリカ人の人間生態学  No.14
  
【人間の、ものの見方考え方は百人百様である】

  経済危機で「デフォルト」と言う言葉をよく聞く。意味は「債務不履行」であるが、アルゼンチンを始とするラテン・アメリカ諸国では、”貸した国も悪い”と言っている。このデフルトと同額の資金をもう一度貸してくれればデフォルト額は返済できるそうである。 地球上には戦争、内乱、人種間闘争などが数多く存在し、平和を希求するのにそれらが終わりを見せないことに腹を立てた”神様”、遂に地球の終焉を決定した。これを告げるために各国首脳を呼んだ。

 
 「最早、お前達を許すことはできない! 24時間後にこの地球を終わりにするから、それぞれの国民に告知せよ!」

  「しかし、神様!なんと言う無慈悲なことを・・・・」

  
「しかしもくそもない! もう堪忍袋の緒がきれたんじゃ、人間同士が殺し合い、国と国とが争いを続けておるではないか。お前達は直ぐにそれぞれの国民に、”24時間以内に全ての終わりのために準備をするように” とつたえるのじゃ!」

  各国の元首は、あわててそれぞれの国に帰って・ ・ ・
  ワシントンに合衆国民を集めてたジョージ・ブッシュは、全国向けテレビを通して呼かけました。
  「偉大なる民主主義の指導国、アメリカ合衆国の皆さん、私は合衆国大統領として、良いニュースと悪いニュースの両方を告げなければならないことになりました。良いニュースとは、神が実際に存在して、この私と話しをしたことです。悪いニュースは、この偉大なるアメリカ合衆国が24時間後に存在しなくなることです。これは神の決定なので合衆国大統領としてはどうすることもできません。」

  キューバのラウル・カストロ議長は革命広場に民主を集めて・ ・ ・
  「革命の同志諸君、キューバを愛する民衆諸君! 私は今日、諸君に二つの悪い知らせを告げなくてはならない。・・・
民衆諸君、一つ目は、神が存在するということである。この目ではっきりと見た! この私が、神を否定してきた私が言うのだから間違いない! 長い間、この存在自体を否定してきたことを諸君に謝らなくてはならない! 二つ目は、24時間後に我々の革命への闘争が終結することになったのだ!長い革命への闘争を止めなければならないことになった!

  アルゼンチンのクリスチーナ・キルチネル女性大統領は全テレビとラジオ局を国営通信網に切り替え、アルゼンチン国民に嬉々として・ ・ ・ 「親愛なるアルヘンティーノス!、セニョーラス イ セニョーレス、今日は特別な日であることを皆さんにお伝えすることを、アルゼンチン大統領として誇りに思っています。素晴らしい二つの! 我がアルゼンチンにとって素晴らしい、二つのニュースを伝えることを喜んでいます。一つ目は、神様が私を神の代理人としたことです。そうなんです! この私と神様が話し合った結果、それを命じられたのです。
  二つ目は、去年の大統領選挙で公約した全てが、24時間後に実現できることが明確になったんです。よく聞いて下さい。たった24時間後に公約を果たせることになったんです。
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  24時間後には失業者はなくなるんです! ドラッグに犯される若者もなくなり、
親達の心配の種がなくなります。我がアルゼンチンに犯罪はなくなり貧乏人もなく
なるんです。水道、ガス、電気代の値上がりの心配も要らない国になるんです。
24時間後には、贈収賄もピケ騒ぎもなくなり誘拐事件もなくなるんです。24時間後
には、私が大統領選挙で公約したことがすべて実現するんです!!
 それに、21%の消費税も廃止させることになったことも伝えなくてはなりません。
飢えて死ぬようなこともなくなります。・・よく聞いてもらいたい、全ての問題は今日、
今日のうちに解決するんです。これを信じないアルゼンチンの国民の皆さん、信じ
ない人は、明日、そうです、明日です、私に文句をいってくれればよいのです!!


 
教訓:人間は百人百様で、その考え方、ものの見方は千差万別で、各国の元首も例外ではないことを知るべきである。